【東京ガス EVリソース化編】
一時の勢いは衰えているとはいえ、今後、確実に普及していくことが予想される電気自動車(EV)。国内でも充電インフラは万単位で整備されており、将来の普及拡大への備えが進んでいる。そのEVを将来、VPPのリソースに仕立てていこうと、東京ガスはまず充電インフラの整備に注力している。その事業モデルについて、ソリューション技術部の岸田拓也EVサービス事業推進グループマネージャーはこう説明する。
「一般のお客さまにEVを普及させるためには、集合住宅向けに設備を整備することが重要だと考えている。戸建て住宅であれば、自らコンセントに差し込んで充電できるが、集合住宅ではそうはいかないからだ。そこで、主に集合住宅にターゲットを絞ったサービスを開始している」

充電器には高出力の急速充電器と、低出力の普通充電器が存在するが、このサービスでは普通充電器を設置している。サービスは、スマホのアプリでユーザー登録をすれば誰でも利用できる。アプリでユーザー認証するため、集合住宅の駐車場専有区画だけでなく、共用区画や商業施設に設置された充電器も利用できる。また、料金は1カ月単位のサブスク方式を採用し、充電量に応じて段階的に設定している。
充電には共用部の電気を使うため、電気代は集合住宅の管理組合の負担となるが、東ガスは電気代相当額を管理組合に払い戻すことで、EV充電の受益者負担となる仕組みを実現している。「EVrest」というブランド名で現在、デベロッパーが手掛ける新築物件を中心に営業活動に注力している。
法人・自治体向けも開始 電気代の抑制に貢献
一般消費者が活用するEV向けだけでなく、法人や自治体向けのEV導入支援サービスも始めている。「Charge Planner」だ。まずは東ガスがユーザー向けにEV導入計画を策定し、東ガスの負担で普通充電器を設置して設備を運用する。ユーザーは導入に関する初期投資が不要になる代わりに、東ガスにサービス料を支払う。
また、一連のサービスを進めるに当たって、東ガスは充電制御システムを自社開発。この技術を活用すればユーザーは契約電力を越えないように充電可能となり、電気代を抑えられる。
「こうしたビジネスモデルは、当社が長年手掛けてきたエネルギーサービス事業との親和性がある。多様なエネルギー設備群を長期間にわたって運用し、エネルギーマネジメントシステムを構築してきた。その実績やノウハウを充電設備の運用や充電制御システムの構築に展開している」(岸田氏)
そんな取り組みを発展させ、EVをVPPリソースとして活用していくことが将来の絵姿である。既に東ガスグループ企業では、業務車両としてEVを導入し、電力需給のひっ迫時には充電を控えるようなデマンドレスポンスを実施して効果を確認している。EVのVPPリソース化に向けた取り組みが着実に進んでいる。












