
下関市長から自民党の参院議員に転じ、エネルギー・環境政策などさまざまな課題に取り組む。 地球温暖化問題では、中国の動向を念頭に世界に向かって国際連携の重要性を訴えた。
祖父・江島鉄雄氏は京大工学部卒、父・江島淳氏は東大工学部卒の元国鉄職員。技術者の系譜に連なることで、大学は迷うことなく工学部を選択。合成化学を専攻する。卒業後は、「技術立国・日本を支えたい」と、千代田化工建設に入社。水素還元製鉄法などに取り組んだ。
政治家への転身のきっかけは、父・淳氏が生前に残した一言だった。「政治家として十分に役に立てなかった」。国鉄マンから参院議員に転じたが、2期目を迎えた時に病床に伏す。無念の言葉だった。父親の遺志を継ぐことを決め、江島家のルーツがある下関市の市長選に出馬。1995年から市長を務める。かつては花形だった水産業や造船業などが斜陽化する中、新たに観光産業に着目。ウォーターフロントの整備など、街の活性化に力を尽くした。
4期14年の市長職を終え、「政治活動は完結した」と引退を決意。教育分野に身を投じ、大学の教壇に立った。しかし、1本の電話で再び政治の世界に舞い戻ることになる。2012年12月、民主党から政権を奪い返し、自公連立政権が誕生する。しばらくすると、安倍晋三首相(当時)から連絡があった。「参院選に出ないか」。13年4月に行われる参院補欠選挙(山口県選挙区)への出馬の誘いだった。立候補し、次点候補にダブルスコアの差をつけて当選。16年の参院選でも対立候補に大差をつけて再選を果たしている。
原子力発電への熱い思い 核融合エネルギーへの期待
国政の場では、国土交通大臣政務官、党水産部会長、参院東日本大震災復興特別委員長、同農林水産委員長などを歴任。20年9月からの現職では、エネルギー・環境、福島復興をはじめ、経済産業政策のさまざまな課題に向き合っている。
中でも、エネルギー・環境政策では、菅義偉首相が「50年カーボンニュートラル」「30年に13年比でCO2排出46%削減」と野心的な目標を打ち出す中、エネルギー基本計画の改定作業が進行している。厳しい制約の中で、どう3E(環境性、供給安定性、経済性)+S(安全性)を実現するか、官僚らと知恵を絞る日々が続く。
注目は原子力発電の扱い。業界関係者は、目標達成には再生可能エネルギーの普及拡大とともに、原発のリプレース・新増設が欠かせないと指摘する。基本計画での扱いに関心が集まるが、「まずは原子力の再稼働に力点を置く。現時点でリプレース・新増設は想定していない」と話す。
とはいえ、「3E+Sを維持する上で、原子力は非常に重要」との思いは強い。故郷・山口県には上関原発の建設計画がある。「あくまで山口県選出の国会議員の立場として」と断りながら、「立地地域では長年の議論や選挙を経て、民意の形成を図り地元合意ができている。中国地方の安定電源として、地元のために一日も早く計画を進めてほしい」と強調する。
原子力については、将来を見据えることの重要性も説く。「50年に向けて、再エネだけに頼れば国全体が高コスト構造になり、産業競争力を失う。そのためにも原子力は欠かせず、小型炉や高温ガス炉に国費を投入し、必要な産業を維持していくべきだ」。また、未来のエネルギーとして核融合を重視。「人類が発展するためには、核融合が欠かせない。そのためのシナリオをどう設計するか、政治家として全力を尽くしたい」と力を込める。
11月の英国でのCOP26(第26回気候変動枠組み条約締約国会議)に向けて、これから地球温暖化の議論が本格化する。温暖化問題は、各国の利害・思惑が複雑に交錯する国際政治の問題でもある。
その中で注視しているのが、中国の動向だ。「欧米の国々や日本が50年カーボンニュートラルを目指す中、中国の目標年は60年。しかも30年までにピークアウトするという。EUは石炭火力を全て認めない方針だが、多くの途上国はついていけない。すると、途上国は中国と同じことをしてしまう」。5月20日に行われたG7気候・環境大臣会合では、世界全体でカーボンニュートラルを実現するよう国際連携の重要性を訴えた。「中国も目標年を50年にさせるよう、世界が一丸となるべきだ」。こう主張していくという。
座右の銘は「一所懸命」。かつて世界をけん引した日本の産業力・技術開発力は、いまやほかの先進国や中国に大きく水をあけられている。しかし長年、技術者として働いた経験から「まだまだ日本は巻き返せる」と確信。日本企業が再び世界の表舞台で活躍できるよう、経済産業政策に取り組む考えだ。
趣味のマラソンはコロナ禍でしばらく封印。ステイホームで「パスタづくりに腕を振るうことが増えた」と口元をほころばせる。






