T紙M記者もとりこ? 麻生太郎氏の魅力
官邸会見でのしつこい質問でお馴染みのT新聞のM記者。最近では質問前に自身の主張を延々と語る「演説」が賛否を呼んでいる。
彼女の暴走ぶりについて、T紙政治部が本人にクレームを伝えたと報じたのはデイリー新潮(6月4日)だ。この報道を目にしたM記者と同世代の記者が打ち明ける。「確かに社内でMの批判はあるが、Mほど取材する記者はいない。彼女の正義感は替えがきかない。原稿の出来はいまいちだが」
厳しい政権批判で知られるM記者だが、「あんまり悪く言わない」(同)という自民党の重鎮がいる。麻生太郎副総裁だ。麻生氏といえば、関係者の間で「半径2mの男」と評される。メディアを通して見る麻生氏は強面で近寄りにくそうだが、実際に話すと魅力的という意味だ。
大手紙の元官邸キャップは「血筋の良さが逆にコンプレックスで、言葉遣いなどをわざと雑にしているのではないか」と分析。育ちの良さが隠し切れないエピソードを次々に語る。
「国会のトイレで一緒になって驚いた。手を紙タオルで拭いた後、もう1度紙タオルを取って、シンクの周りに飛び散った水滴をきれいに拭いていた」「立ち姿が美しくなるように、ダブルのパンツの裾に石(重り)を入れている」
大手紙の経済部記者が続ける。「麻生さんは何だかんだで記者に慕われているし、官僚も悪く言わない。『なぜか好きになってしまう魅力』があるのだろう」
M記者もそんな麻生氏の魅力に取りつかれた1人なのかも。ただ貴重な会見の場を演説会場に変えるのはいかがなものか。

経産省のGX政策 航空機や半導体に関心?
岸田内閣の経済政策の柱はGXの推進だ。2022年末に打ち出された際には原子力の活用が主張され、10年間で150兆円の投資目標が示された。ところが経産省内部は今、飛行機製造や半導体など、日本が主導権を失った産業のテコ入れに浮かれているという。
半導体世界最大手の台湾のTSMCの熊本工場誘致は経産省の成果とされているが、工場建設費3兆円のうち1兆2000億円を日本政府が補助するという過剰な支援によるもの。その中心になったのが商務情報系幹部のN氏だ。国産半導体の重要性は言うまでもないが、なぜか「半導体サプライチェーン」がGX政策に盛り込まれている。
三菱重工はジェット機開発が失敗し撤退した。ところが製造産業局はGX政策に「次世代旅客機」を盛り込み、三菱重工を中心に官民の一体開発を探る。同局幹部のI氏はかつて「クールジャパン」政策の中心人物。N氏、I氏共にエネルギーの経歴はほとんどない。
「足元のエネルギーがガタガタなのに大風呂敷を広げて大丈夫なのか」。エネルギー畑を歩んだ経産省OBは不安を募らせている。
蓄電池大量落札の裏側 収益化提案するS社
2023年度の長期脱炭素電源オークションで大量落札された蓄電池に関する話題が尽きない。今回落札された大半の蓄電池は、B社やC社などの中国製だった。安価なシステムによる応札により、国内企業の多くが脱落した。
蓄電池の落札事業者は11社で、落札数は30件(109・2万kW)。その中で最も多く落札したのは、ヘキサ・エネルギーサービスの11件(34・2万kW)だ。同社の母体は、米国の投資A社がアジア向けの再エネ事業会社として立ち上げたH社。そのH社と蓄電所システムインテグレーターのS社が連携し、大量落札を実現したのだ。
業界関係者が疑問視するのは、S社が蓄電池ビジネスで収益向上を狙う手段として同オークションの活用を提案していることだ。〈オークションに参加することでさらなる収益が見込めるため、興味がある方はぜひ問い合わせを〉―。
国内産業的にメリットの少ないコスト最優先の海外蓄電池が、制度本来の趣旨である長期の電力安定供給と脱炭素の実現に貢献できるのか。次回公募までに仕組みの改善が求められる。