過去に類を見ない燃料価格高騰に見舞われる中、火力発電への依存度低減を目指し、泊発電所の再稼働と再エネ電源開発に注力するとともに、将来の水素利用に向けた取り組みを加速させる。
【インタビュー:藤井裕/北海道電力社長】
【聞き手:志賀正利/本社社長】

志賀 燃料価格の高騰で、電力各社において経営を取り巻く環境がこれまでになく厳しい状況です。今後の収支見通しはいかがでしょうか。
藤井 2022年度通期の連結業績見通しについて、710億円程度と史上3番目の経常赤字額になる見込みです。背景には過去に経験したことのない急激な燃料価格や電力市場価格の上昇による調達費用の増加があります。これまでも最大限の効率化を図ってきましたが、今後さらに、燃料調達の創意工夫や経済性のある火力発電所の焚き増しなど燃料費や電力購入費用の抑制に最大限努め、収支改善を図っていきます。
志賀 低圧規制料金の値上げについては、どのように検討していますか。
藤井 規制料金の値上げを含め、経営の健全化に向けたあらゆる対策について、いかなる選択肢も排除せずに幅広に検討していますが、現時点で規制料金の値上げについて決めたものはありません。
高圧契約の受付再開へ 標準約款を見直し
志賀 高圧・特別高圧については、契約の受付を停止しています。再開の見通しは。
藤井 燃料価格が高水準で推移する中、5月下旬より、高圧以上の新規契約の受付を停止させていただきました。依然として、燃料の調達環境や電力市場価格の先行きを見通すことは難しいですが、本来安定して電力をお届けするべき電気事業者として、このまま受付停止を継続している状況は本意ではありません。そのため、標準約款を見直した上で、12月末から来年1月上旬をめどにお申込みの受付を再開し、4月からの電気のお届け開始を目指して準備を進めています。
志賀 低圧自由料金プランの燃料費調整額については、12月分から上限を廃止しました。
藤井 8月分電気料金から、燃料費調整制度における平均燃料価格が上限に到達しました。燃料価格の高騰が長期化した場合、料金に反映されない上限超過分が増大するため、スピード感をもって燃料情勢の変化に対応していかなければ健全な経営が困難となるとの観点から、低圧自由料金プランについて12月分より上限を廃止させていただきました。お客さまにご負担をおかけすることになりますが、影響額試算のご要望や負担軽減に関するご相談など個別に丁寧に対応させていただいています。
志賀 現在の状況を踏まえ、低圧小売り分野のお客さまにどのようなサービスを展開していきますか。
藤井 お客さまのご負担の軽減を図る観点で、高効率で省エネ性に優れるヒートポンプ機器を用いた「スマート電化」をおすすめしています。既に電気温水器や蓄熱暖房器などの従来型のオール電化機器をお使いのお客さまに、ヒートポンプ機器へお取り替えいただく「エコ替え」を提案しています。また、11月からは、このヒートポンプ機器をより多くのお客さまにお手軽にお使いいただけるよう、お求めやすい定額料金で機器をリースするサービスをご用意しました。多くの皆さまにヒートポンプ機器の省エネ性を実感していただけるよう取り組んでいきます。

















