奈良県知事を巡る疑念 太陽光計画が急浮上
奈良県の山下真知事が表明した五條市でのメガソーラー整備計画を巡り、地元で疑念が沸き起こっている。山下知事はメガソーラーを2023年4月の知事選で掲げた公約に明記していなかったにもかかわらず、突如として整備計画を打ち出したからだ。なぜメガソーラーに執着するのか。
市の県有地では、2000m級の滑走路を備える広域防災拠点を整える計画だったが、山下知事が就任後に見直した。大規模災害に備える整備計画で滑走路としていた場所に約25haのメガソーラーを建てる計画を1月に打ち出したもので、突然の計画表明に地元住民が激しく反発。知事は、能登半島地震を教訓とした非常用電源の確保や経済効果を整備の理由に挙げたが、折り合いがついていない。
物議を醸すメガソーラー開発
県議会でも大きな争点に。3月6日の一般質問で、五條市選出で自民党・無所属の会の斎藤有紀議員がメガソーラーの整備を決めた経緯や災害リスクを問い、「決定過程が不透明であり、防災力の強化につながるとは思えない」と疑問を投げ掛けた。
再生可能エネルギーの問題を扱う住民団体のY氏は、県が2人いる副知事のうち1人を交代させる人事を同日発表した動きに触れ、「後任の福谷健夫氏は元農林部長で、メガソーラーを推進してきた張本人。計画の背後に関係メーカーJなど事業者の影もちらついており、ソーラーに詳しくない知事が推進派に踊らされている可能性もある」との見方を示す。
「住民の声を無視した強行的なやり方に納得できない」と斎藤県議。知事は謎が深まる経緯の説明責任を果たさない限り、対立の溝は埋まらない。
JRE会長の辞任 審議会にも影響
ジャパンリニューアブルエナジー(JRE)の会長だった安茂氏が、セクハラ問題で解任された。業界団体の日本風力発電協会で、安氏はここ数年副代表理事を務め、日本風力開発の贈賄事件後、代表理事に就いた矢先だった。「男女分け隔てなくざっくばらんで穏やか。そんなことをしでかす人とは思えなかったが……」(風力関係者X氏)
協会は贈賄事件後いったん、エネ庁などの審議会で委員としての参加を取りやめた。協会の意思決定などの在り方を見直す方針をエネ庁に説明し理解を得た上で、年明けから従来の態勢に戻したい考えだった。ほかの委員からも、風力関係者の不参加を問題視する意見が出ていたという。
だが、「再びの不祥事で、エネ庁からは会議に参加しても個社としての発言に限定し、業界団体の意見を踏まえたようなコメントは避けるようお達しがあったようだ」(先述のX氏)。審議会で堂々と協会の立場で発言できるようになるには、年度をまたぐどころか、下手をすれば夏ごろまで待つ必要があるかもしれない、というのだ。
洋上風力など今後再エネの主力を担う電源として、詰めるべき政策課題はいろいろあり、今年はエネ基の改定も予定される。そうした中、相次ぐ不祥事の余波が懸念されている。
年内にも売却か!? T社身売りが再浮上
「今度こそ、T社の売却が決まりそうだよ」こう語るのは、大手エネルギー会社のX氏だ。大手電力会社のC、大手発電事業者のJ、大手商社のMと、これまでも散々売却が噂されてきた大手電力小売会社のT社。中でも有力視されてきたのが、大手エネルギーE社だったが、「資産を持たないT社を買収することに魅力はない」(E社のOBのF氏)と、それが実現することはなかった。
だが、T社の売却先として再び浮上しているのはそのE社なのだ。新電力関係者のY氏も、「資金力からいっても、今、T社を買えるのはE社しかない」と確実視する。
とはいえ、政府は福島への補償金を賄うためにも、数兆円規模という巨額でのT社売却を画策しているもよう。一方、買い手側からしてみれば、到底元を取れるはずもなく……。E社の最終判断はいかに。