国際的な化石燃料価格の高騰と歴史的な円安の進行により、物価上昇が加速している。国民生活に大きな影響を与えるだけに、実効性のあるエネルギー価格の抑制策が不可欠だ。
物価の高騰が国民生活や経済活動を直撃している。食料品の値上げが相次いでいるほか、電気やガスといったエネルギー価格の上昇にも当面は歯止めがかかりそうにない。物価上昇の主因である化石燃料を巡る国際情勢がいつ落ち着きを見せるのか、円安がどこまで進行するのか見通しが付かず、暮らしへの不安は広がるばかりだ。
欧州エネルギー危機が波及 日本を襲う二重の苦しみ
化石燃料価格高騰の背景には、新型コロナウイルス禍からの経済回復に伴い燃料需要が増加する中、ロシアがウクライナに侵攻。対露制裁に踏み切った欧州各国が、その一環としてロシア産の天然ガスや原油を禁輸する方針を打ち出したことがある。
もともと欧州の化石燃料需要におけるロシア産比率はガスが4割、石油が3分の1、石炭が4分の1と高い。ロシア産に代わる調達先の確保と冬の高需要に備えたガス貯蔵を急ぐが、この影響で、欧州の天然ガス価格の指標であるオランダTTFは、100万BTU(英国熱量単位)当たり50ドルを超え、需要期ではない夏場としては異例の高価格を付けている。そしてこれにつられるように、北東アジアのLNG価格の指標であるJKMスポット価格も40ドル台半ばまで上昇した。
石炭価格も高水準が続く。欧州諸国がガスを貯蔵する一方で、足下の電力需要を賄うために石炭火力への依存度を高めるなど、石炭を購入する動きが世界的に拡大しているためで、豪州産の一般炭指標価格は7月中旬現在、1t当たり400ドル超の超高値圏で推移している。
石油も、アメリカの利上げによる景気後退懸念からWTI原油先物が一旦は1バレル100ドルを切る水準まで下がったものの、7月18日には「ガスプロムが欧州の顧客にガス供給を保証することができないと伝えた」とのロイター通信の報道を受け、再び100ドル超に上昇した。
こうした化石燃料価格の高騰に歴史的な円安が追い打ちをかけ、日本への影響も深刻だ。7月14日には1ドル139円台に突入。燃料のほぼ全量を輸入に頼る日本のエネルギー企業にとって、燃料高騰と円安のダブルパンチによるコスト増は大きな痛手だ。そしてそれは、電気・ガス・ガソリン料金に反映され、徐々に家計を圧迫し始めている。









