【理研計器】
理研計器のガス検知器「GD-84D」シリーズが省エネ大賞製品・ビジネスモデル部門を受賞した。半導体市場向けの同製品は業界のスタンダード機として普及している。その要因に迫った。
日本国内に大型工場の建設が計画されるなど、盛り上がりを見せる半導体業界。その工場内では、200種類を超えるガスや薬液、金属材料などが大量に使われている。中には、毒性が強く、人体に悪影響を及ぼすものもあり、万が一の漏洩時には迅速で正確な検知が求められている。
理研計器が手掛ける半導体市場向けスマートタイプマルチガス検知器「GD-84D」シリーズは、大気中の可燃性ガスや毒性ガスの漏洩や酸欠を検知することで警報を発する製品だ。業界のスタンダード機として国内外の工場で多く採用されている。

半導体工場ではガス検知器の点数削減、ガス検知器のコスト削減を含むイニシャルコストの削減が継続的に求められている。そこで、GD-84Dの開発では、従来機から大幅な性能向上を図るため、①自己診断機能を強化した高性能ガスセンサー、②複数のガス検知器を1台に集約すること、③環境負担軽減への配慮―を目指した。
この結果、従来はガス種ごとに必要だったガス検知器について1台で4種のセンサーを搭載できる製品を開発。これに合わせてガスセンサーも新たに開発した。新しいガスセンサーは体積を従来から91%減まで小型化し、寿命では2年の延長を実現した。さらに、ガス検知器内にガスを引き込むポンプも1セットで4種のガスに対応するものを開発したことで、一つの検知器に4台分を集約することが可能となった。これにより、従来機の6割以上の消費電力削減を図った。さらに、電気通信配線やガスのサンプリング配管など周辺部材の導入点数も最大4分の1に削減できるようになった。
導入コスト全体を最適化 省エネや省資源に貢献
このように前機種から大幅に機能集約を実現したことが評価され、GD-84Dは省エネルギーセンター主催の「2022年度省エネ大賞」の製品・ビジネスモデル部門エネルギーセンター会長賞を受賞した。
「1台のガス検知器で4種のガスに対応したのに加えて、サンプリング配管や電力通信配線など周辺部材を大幅に削減したことも評価されたと考えている。サンプリング配管はとても高価だ。従来は使用するガス種ごとにこれを数十m程度導入するため、顧客の費用負担が大きかった。そうした導入コスト全体の削減、省エネ、省資源などが、脱炭素やSDGsの観点から全体的に評価されたのではないか」。営業技術部の森阪秀一部長は、受賞についてこう話す。
現在、検知器は一度設置されたら10年は使用する製品だという。それだけに信頼性が求められる。顧客の要望に応えながらの製品開発は困難を伴うが、今回のような性能向上の実現は産業発展につながる。理研計器はそうした開発に今後も邁進する構えだ。




















