【特集2まとめ】太陽光「共存」時代へ 〈地域共生〉〈安定電源〉への挑戦


太陽光発電に代表される再エネの導入拡大が転機を迎えている。
お天気任せの出力変動による電力系統への悪影響に加え、
乱開発に伴う自然破壊が全国的に深刻化しつつあるためだ。
こうした中、英知を集めた技術開発・規制見直しによって、
地域や系統と「共存」する再エネを目指す動きが加速してきた。
自治体、メーカー、エンジニアリングなどの取り組みを紹介する。

【レポート】主力化を支える「良い再エネ」 多様な発想と技術で「共生」へ

【インタビュー】倫理なきソーラー開発を規制 訴訟辞さずの厳しい姿勢で挑む

【レポート】事業者が抱える遊休地を活用 「自家消費型」に熱い視線

【インタビュー】FITに頼らない事業運営を計画 将来的には自社電源の活用も

【レポート】発想「大転換」の再エネ推進策 既存設備と連携し最適制御

【特集1まとめ】アウトルック2022 「壬寅」の業界を大胆予想


新型コロナ禍、脱炭素化、資源高騰に揺れた2021年。
この3大テーマを引き継ぐ形で22年が幕を開けた。
欧州、米国、ロシア、中国、中東などの関係国は、
国益に関わるエネルギー政策をどう展開してくるのか。
そして日本は岸田政権の下、どんな戦略を描き出すのか。
「春の胎動を助ける」という壬寅の業界動向を大予想する。

掲載ページはこちら

【覆面座談会】脱炭素・資源高騰・原発問題― 岸田政権に求められる「深謀遠慮」

インタビュー】足元のオール電化には限界も 脱炭素時代の羅針盤を示せるか

【レポート】エネルギー初夢NEWS10選 2022年に業界を騒がせそうな「夢物語」を集約

【中部電力 林社長】社会の持続的な発展へ 新たな価値を創出するビジネスモデルを構築


社会様式と事業環境の急速な変化を踏まえ、2021年11月に新たなグループ経営ビジョンを策定した。脱炭素化の実現と社会の持続的な発展に貢献すべく、新たなビジネスモデルの構築へ取り組みを加速させる。

志賀 11月に2050年を見据えた「中部電力経営ビジョン2・0」を発表し、従来の電力会社にはない意欲的な目標を掲げました。

 当社は18年に「中部電力グループ経営ビジョン」を策定し、電力の安定供給という変わらぬ使命を完遂するとともに、社会課題を解決する新たな価値創出を目指す方針を打ち出しました。そしてこのビジョンに基づき、20年代後半に、国内エネルギー以外の事業を国内エネルギー事業と同等規模に成長させるべく、これまで事業ポートフォリオの変革を進めてきました。

 ただそれ以降、DX(デジタルトランスフォーメーション)がより一層進展したのに加え、新型コロナウイルスの感染拡大などにより社会構造・生活様式は大きく変化しました。また、政府が50年カーボンニュートラル社会の実現を目指す方針を示し、エネルギー基本計画が改定されるなど、エネルギー事業を取り巻く環境が大きく変わりました。

 そのため、新たに「中部電力グループ経営ビジョン2・0」を策定し、脱炭素化を達成した安心安全な分散・循環型社会を50年に実現するために、当社がエネルギー事業者として何に貢献ができるのか、社会の持続的な発展のためにどのようなビジネスモデルを構築するべきかという方向性を示すことにしました。

はやし・きんご 1984年京都大学法学部卒、中部電力入社。
2015年執行役員、16年東京支社長、18年専務執行役員販売カンパニー社長などを経て
20年4月から現職。

電源の脱炭素化へ 再エネ拡大目標引上げ

志賀 脱炭素に向けた具体的な戦略をどう描いていますか。

 発電側では、再生可能エネルギーの拡大目標を従来の200万kW以上から320万kW以上に引上げました。合わせて、JERAにおいても火力発電所の脱炭素化を推進するとともに、浜岡原子力発電所の再稼働に向けた取り組みを強化していきます。原子力は、第六次エネルギー基本計画、さらにはグリーン成長戦略でも脱炭素化に向けて活用していくことが明確に位置づけられており、岸田政権としてしっかり取り組んでいくという強い決意だと受け止めています。

 現在の国内の最終エネルギー消費のうち、電力は27%となっています。電気は二次エネルギーであり、再エネや原子力、カーボンフリーの燃料を活用した火力といった一次エネルギーで発電することにより、脱炭素化に貢献することができます。

 こうした意味においても、需要側のエネルギーの電化を進めることには大きな意義があります。脱炭素社会の実現に向けては、電源の脱炭素化と需要側の電化はどちらも欠かすことはできません。