【東北電力 石山社長】「実行力とスピード」重視 新たな価値を提供し 利益創出に挑み続ける

女川2号機は安定運転を継続し、「財務基盤の早期回復」にも道筋が見えてきた。
想定以上に厳しい事業環境の中、AI、データセンターといったビジネスチャンスを的確に捉え、自社の強みをこれまで以上に生かした事業展開を考え抜く。

【インタビュー:石山一弘/東北電力社長】

いしやま・かずひろ 1985年慶応義塾大学大学院修了、東北電力入社。2018年執行役員、19年常務執行役員、21年取締役常務執行役員、22年取締役副社長 副社長執行役員を経て、25年4月から現職。福島県出身。

門倉 社長就任から9カ月、これまでを振り返って手ごたえや課題感などいかがでしょうか。

石山 就任以降、「実行力とスピード」重視の経営に全力で取り組んできました。改めて振り返ると、あっという間の9カ月だったと感じます。
 当面の優先課題として注力してきた財務基盤の早期回復については、着実に進捗してきています。また、2024年12月に、14年ぶりに営業運転を再開した女川原子力発電所2号機が、大きなトラブルなく安定運転を継続できたことは、電力の安定供給やカーボンニュートラルへの貢献の観点から、大きな意義があると考えています。社員や協力企業はもとより、日ごろから当社の事業運営を支えていただいている地域の皆さまのご理解のおかげであり、心より感謝を申し上げます。1月14日からは、再稼働後初となる定期事業者検査を予定していることから、しっかりと対応していきます。
 一方、東通原子力発電所で発生した核物質防護を巡る不適切な取り扱いについては、原子力事業への信頼を損なうものであり、極めて重く受け止めています。再発防止を徹底し、二度とこのようなことが発生しないよう真剣に取り組んでまいります。
 当社を取り巻く事業環境については、電力小売り競争の激化、物価・金利の上昇と円安、米国政策に起因する国内経済の不透明感の高まりなど、想定以上に厳しくなっています。25年度は、一定程度の利益が確保できる見込みではありますが、足元ではフリーキャッシュフローが厳しい状況であることに加え、今後、電力の安定供給をはじめカーボンニュートラルへの対応やDXなどの成長への投資が控えていることを踏まえると、中長期的に稼ぐ道筋をつけることが重要だと考えています。


女川3号機・東通1号機 再稼働に向け着実に対応

女川原子力発電所で実施する地域との対話活動「こんにちは訪問」

門倉 女川2号機の再稼働から1年以上が経過し、女川3号機・東通1号機の再稼働も期待されます。それぞれの現状を教えてください。

石山 女川3号機も東通1号機も重要な電源であり、各プラントの状況に応じて、対応すべきことを一つひとつ着実に進めていきたいと考えています。
 女川3号機については、新規制基準適合性審査申請に向けた準備の一環として、25年1月20日から地質調査を実施しています。また、地質調査以外にも、女川2号機の審査で得られた知見・評価などを踏まえ、安全対策設備の配置計画検討などを実施する必要があります。現時点で申請時期を具体的に申し上げる状況にはありませんが、しっかりと準備を進めていきます。
 東通1号機については、将来にわたって長期に、かつ安全に運転していく観点から、基準津波に対する裕度を高めるため「敷地造成」を計画し、現在その審査に対応しています。また、並行してPRA(確率論的リスク評価)津波対策の検討や安全対策設備の配置検討などのプラント審査準備を進めており、安全対策工事の完了時期の公表については、27年3月頃を目指しています。今回の不適切事案についてはしっかりと反省し、この教訓を生かすことで、再発防止を徹底します。その上で、地域の皆さまからのご理解をいただきながら、できる限り早期の再稼働を目指していきます。

【特集1まとめ】脱炭素の虚実 揺らぐ「気候変動」の世界常識

2050年カーボンニュートラル(CN)の実現が人々を救う―。
気候変動問題・対策を巡る世界の常識が揺らいでいる。
要因の一つが、行き過ぎたCN政策による弊害の顕在化だ。
各地でエネルギー料金が上昇し、再エネ拡大による環境破壊が進む。
主要国が表向きは「50年CN」の必要性を唱える裏側で、
CO2大量排出の軍事活動に注力する現実も鮮明化している。
歴史を振り返れば、「脱~」の取り組みはうまくいった試しがない。
「脱石油」「脱中東」「脱原発」―いずれも現実の壁を越えられないのだ。
「そもそもネットゼロを達成したところで昨今の異常気象は解消されない」
「貴重な資源でもあるCO2をまるで害悪のように扱っていいのか」
そんなCO2悪玉説への懐疑論も再燃する中、「脱炭素」の虚実に迫った

【アウトライン】脱炭素偏重の弊害顕在化で揺り戻し 「適応」が気候変動対策の主軸になるか

【コラム】所詮は「平和な時代」のきれい事!? 軍事活動が優先される世界の国益事情

【インタビュー】実質ゼロ達成でも海の熱膨張止まらず 温暖化前提の未来像が不可欠

【寄稿】IPCC報告書は「自然」を軽視 気候変動への人為的影響は限定的

【寄稿】「1.5℃」厳しく「2℃」が妥当 求められる現実路線への修正

【寄稿】COP30は途上国有利の決着 米国不在で先進国の交渉力低下

【コラム】くらし・産業と切り離せない貴重なCO2 国内の炭酸原料ソース減少が課題

【中部電力 林社長】電力需要増に対応 産業集積地中部の持続的な発展に貢献

洋上風力第1ラウンドから事業撤退したものの、引き続き全国で各種再エネ開発に注力するとともに、浜岡原子力発電所の早期再稼働へ取り組みを着実に推進。

DX・GXの進展に伴う電力需要の増加に対応し、産業集積地である中部エリアのモノづくりを支え、地域の発展に貢献していく。

【インタビュー:林 欣吾/中部電力社長】

はやし・きんご 1984年京都大学法学部卒、中部電力入社。2015年執行役員、16年東京支社長、18年専務執行役員販売カンパニー社長などを経て20年4月から現職。

井関 2025年度中間期の連結決算は減収増益でした。

 中間期は、洋上風力発電事業撤退損失として136億円を計上するなど収支悪化要因がありました。一方で、夏季の高気温影響に加え、中部電力ミライズにおける電源調達ポートフォリオ組み替えによる費用削減効果の拡大などグループを挙げた収支向上努力により、通期の連結経常利益は2300億円(期ずれを除き2100億円)と、中期経営目標である「2000億円以上」を上回る見通しとなりました。金利の上昇や物価高といったマイナス面を打ち消す「稼ぐ力」を付けられたこと、そしてコストダウンが実行できたことは、何より社員の努力によるものです。


選択と集中を徹底 資本効率の向上図る

井関 今年度は「経営ビジョン2・0」の達成を見据えた中間地点であり、現行中期経営計画の最終年度です。経営目標達成への手応えはいかがでしょうか。

林 最終年度に2000億円の経常利益の確保を目指してきた中、(期ずれを除き)2100億円程度となる見通しとなり、計画は順調に推移していると実感しています。ROIC(投下資本利益率)も3・3%程度と、目標の3・2%以上を上回る見込みです。一方で、当社を取り巻く事業環境・投資環境は、米国関税政策をはじめさまざまなリスクがあり、先行き不透明な状況が継続することが想定されます。さらなる市場対応力の強化やコストダウンに加え、各事業のモニタリング、投資案件の評価などのリスク管理を徹底することにより利益水準の確保に努め、確実な目標達成を目指していきます。

ミライズはソリューション提案に力を入れている

井関 26年には次期中期経営計画を策定することになりますが、何がポイントになるでしょうか。

 物価・労務単価・金利の上昇など、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続きます。そうした中で、限りある経営資源を最大限活用し資本効率を高めるため、「思い切った選択と集中」を踏まえた新しい事業ポートフォリオやその実現に向けた工程などの検討を進めており、次期中期経営計画で新たな成長戦略を示す方針です。エネルギー事業のみならず、海外事業や不動産事業、資源循環事業など多角化を進めてきた中で、いずれかの分野をなくすというわけではなく、それぞれの分野の中で選択と集中を進め、将来性のある取り組みに注力しつつ、撤退基準に抵触するものについては撤退を判断していきます。

経常利益、ROICは現行の中期経営目標を達成できる一方、ROE(自己資本利益率)は6%程度となる見込みで、その改善は当社にとって最重要課題の一つです。次期中期経営計画では、資本市場から期待されている8%を意識して目標を設定することを検討しています。

井関 25年6月に公表された電力広域的運営推進機関の需給シナリオで、電力需要が大幅に増大する将来見通しが示されました。中部電力エリアの足元の動向と将来見通しはいかがでしょうか。

 25年度の電力需要は前年度並みの水準で推移しています。米国の関税政策による電力需要への影響については、先行きの輸出産業関連の生産動向に懸念はあるものの、足元において生産計画の見直しを行った企業は少ないものと認識しており、現時点では大きな影響は生じていませんが、引き続き状況を注視していきます。

また、広域機関の見通しでは、中部エリアの24年から10年間の電力需要の伸びは全国平均に比べると下回っています。ですが、中部エリアはモノづくりが盛んな産業集積地であり、AIやロボティクスを前提とした自動化などのDX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)に伴うポテンシャルは高く、デジタルインフラの拡大や、カーボンニュートラル実現に向けた電化が進展することによって、電力需要が増加する可能性が高いと考えています。DX・GXの動向は需要想定に与える影響が非常に大きいことから、エネルギー政策やエリアの産業動向などに目を配り、適切に需要見通しに反映していきます。

グループ全体でのデータセンター(DC)などの大型需要誘致に加え、ミライズのソリューション活動の一環としてGX実現に向けた電化提案などにも取り組むことで、さらなる電力需要の創出につなげるとともに、モノづくりが盛んな産業集積地である中部エリアの持続的な活性化に貢献していきます。

【北陸電力 松田社長】能登の復興に注力 安定供給と脱炭素化で北陸の発展に貢献する

令和6年能登半島地震の発生から2年。地域に根差したエネルギー事業者として、グループ一丸となって復興を後押ししてきた。

能登を含む北陸地域全体の発展に貢献するべく、ビジネスの拡大と経営基盤の強化を着実に進める。

【インタビュー:松田光司/北陸電力社長】

まつだ・こうじ 1985年金沢大学経済学部卒、北陸電力入社。営業推進部長、エネルギー営業部長、石川支店長などを経て、2019年6月に取締役常務執行役員。21年6月から現職。

井関 「令和6年能登半島地震」の発生から2年が経過しました。復興状況をどう見ていますか。

松田 2024年元旦に発生した能登半島地震と、それに続く9月の奥能登豪雨により能登半島は大きな被害を受けました。着実に復興の歩みを進めていますが、完全な復興にはまだまだ時間がかかります。

北陸電力グループは配電設備、送変電設備、発電設備などに660億円にも及ぶ損害を被りました。停電については、発災後、1か月以内に復旧することができましたが、豪雨と併せて約3300本の電柱の建て替えが必要となりました。今年度中に3分の2の対応を終える予定ですが、残りの1100本は、道路の復旧状況などに合わせて進めて行く必要があるため、地元自治体などと連携して可能な限り早急に工事を進めていきます。

井関 今後の復興に向けどう取り組みますか。

松田 これまで、被害を受けた地域への移住促進や雇用創出、なりわい再建などを目的とした割引料金メニュー「こころをひとつに震災復興応援でんき」の創設や、災害により発生した流木や家屋などの解体がれきのバイオマス燃料としての活用などに取り組むことで、復興を支援してきました。割引メニューの申込件数は家庭・企業合わせて計1600件に上り、復興の後押しになると好評の声をいただいています。

また、地震により大量に発生した廃瓦(能登瓦)を有効活用するため、当社が開発した石炭灰に太陽光パネルガラスを混合し廃瓦も加えた「インターロッキングブロック」は、大阪・関西万博に出展したパビリオン「電力館」敷地の構内舗装に採用され、当社から提供させていただきました。閉幕後は全て持ち帰り、万博のレガシーとして、当社の本店ビル西側緑地帯などに再利用していく予定です。

また、自治体施設などでも活用のニーズがあれば使っていただきたいと考えています。これらの取り組みにとどまらず、廃瓦を復興事業に活用することを目指し、石川工業高等専門学校と共にフライアッシュコンクリートの活用方法についても共同研究を進めています。


災害の知見を全国に共有 レジリエンス強化に貢献

井関 和倉温泉における復興プロジェクトにも参画しています。

松田 地元の方々を中心に、単なる復興ではなく、能登に暮らす人、働く人、訪れる人全てが幸せになれる創造的復興を目指して和倉温泉のまちづくり協議会が発足しました。当社もこの取り組みに積極的に参画し、専従の社員が「脱炭素エネルギーによる地域連携プロジェクト」のリーダーを務めています。

単なる再生ではなく、将来のカーボンニュートラル(CN)にどうつなげるかや、和倉温泉の貴重な温泉熱エネルギー(温泉排熱)を活用できないかなどを目的としており、エネルギー事業者としての知見を生かし、先進的な温泉地となるよう、地域の未来を見据えた取り組みをけん引していきます。

井関 震災で得た知見の活用にも積極的に取り組んでいます。

松田 未曽有の激甚災害を経験した事業者として、ハード面のレジリエンス強化はもとより、道路状況の把握や、資材や水・食料の調達、トイレや宿泊先の確保などのバックヤード業務、そして自治体などとの連携、規制上の課題など、いわゆるソフト面が非常に重要であると強く感じました。災害で得た知見や対策を全国の関係機関に共有・展開しレジリエンス強化に貢献することが使命、責務だと認識しています。レジリエンスの強化には、ハード・ソフト両面の知見の活用が欠かせません。現在、後方支援などにかかわるソフト面の知見については、実際の災害対応に当たり体験した課題や対応案を集約し、整理を行っているところです。

道路復旧に合わせて能登半島で進む電柱建て替え

例を挙げると、地震直後、能登半島全域が緊急用務空域(=事前の現地確認・申請が必要)に指定されたことで、迅速なドローンによる巡視・点検の妨げになったほか、避難所に電気を供給する電源車の軽油燃料取り扱いにおいて消防法による事前承認が必要になるなど、規制面での壁があることに直面しました。また、1日最大1400人もの復旧作業員が使う仮設トイレのし尿処理など、さまざまな困難があった訳でありますが、当時は一つ一つ、それぞれ関係機関と調整しながら解決を図ってきました。こうした経験を踏まえ、平時のうちに、遅滞なき災害対応、課題解消に向けて、国、地元自治体などの行政機関、災害時連携協定を締結している関係各所への働きかけ、防災訓練の強化などを通じて対応の実践的なブラッシュアップを図っていくことが重要であり、引き続き取り組んでいきます。

【特集2まとめ】社会課題を解決するインフラへ スマートメーター進化論

通信ネットワークを取り入れて進化するスマートメーター。


電力業界では第2世代の仕様が決まり、2025年度中に取り付けが始まる。


都市ガス業界では、大手3社が先陣を切って設置に乗り出したほか、データの送受信を担うセンターシステムの運用などに取り組む。


地方都市ガス事業者は、独自に導入を検討する動きが活発だ。


スマートメーターは大規模なシステム構築が求められてくるが、設備のスリム化、保安の高度化など、導入のメリットは大きい。


社会課題の解決するインフラの一翼を担うものになりそうだ。

【アウトライン】次世代スマメが拓く社会変容 情報産業の新たな価値創造へ

【インタビュー】「価値獲得」へ各社が手探り 自治体の付加価値向上も

【レポート】専門家交えガイドライン改定 外部接続に関する体制を強化

【レポート】異業種・自治体と共同実証 地域課題解決に資するサービス

【レポート】都市ガスの新たなインフラ創り 全域への設置完了へ着実に前進

【レポート】電力スマメの通信網を利用 コストを抑制し全件に導入へ

【トピックス】自治体や事業者と連携しサービス実証 製造業の枠超えソリューションを創出

【トピックス】唯一のIoT専業の通信事業者 多様な規格をそろえ事業に対応

【インタビュー】利便性とセキュリティを両立 30年代に全戸への導入目指す

【東京ガス 笹山社長CEO】経済性見極め成長投資 事業の効率化を進め安定した利益成長図る

今年度上期決算では過去最高水準となる最終利益を達成。

現行の中期経営計画の主要戦略はおおむね達成したが、成長性・収益性には改善の余地があるとし、次期中期経営計画で安定的な利益成長を目指す。

株主還元方針も予見性を重視した内容に転換した。

【インタビュー:笹山晋一/東京ガス取締役代表執行役社長CEO】

ささやま・しんいち 1986年東京大学工学部卒、東京ガス入社。執行役員総合企画部長、専務執行役員エネルギー需給本部長、代表執行役副社長などを経て2023年6月29日から現職。

井関 2025年度上期決算をどう評価していますか。

笹山 上期は、前年同期比増収増益となり、全体として良好な結果を残すことができました。特に、エネルギー・ソリューションセグメントでは電力販売量の増加、そして海外セグメントでは北米シェールガス事業における販売単価の上昇が、業績を押し上げました。これらの要因により、最終利益は前年同期比約8倍の1296億円と、当社として過去最高水準に達しました。短期的な要因として、豪州持株会社の解散に伴う為替差益(特別利益)の計上が増益に寄与しましたが、これを除いても、通期で掲げた最終利益の目標を十分に達成できる水準です。

井関 都市ガス・電力販売量はどのように推移しましたか。

笹山 都市ガス販売量に関しては、家庭用が前年同期比で3・7%増加しました。これは、昨年の春の気温が高かったことに対し、今年は気温が低く、暖房需要が増加したことが背景にあります。一方で、一般工業用向けの需要は減少しました。これは、大口の離脱によるものではなく、一部産業の生産活動や発電用途の変動が影響しています。これにより、販売量は全体で前年同期比0・4%の減少となりました。電力販売量は19・6%増加しました。これは、猛暑に伴う空調需要の増加に加えて、小売りの契約件数の増加が寄与しています。


海外・エネ分野が好調 通期も増収増益

井関 通期見通しも増収増益を見込んでいます。

笹山 通期についても、電力販売量の増加や、北米シェールガス事業での販売単価上昇など、エネルギーおよび海外セグメントが順調に推移しているため、売り上げ、利益ともに好調で、最終利益は前期比2・6倍の1940億円を見込んでいます。

北米シェールガス事業が好調だ

井関 株主還元方針が従来の総還元性向に基づくものから、中間キャッシュフローの中で、「成長投資」と「株主還元」に柔軟に配分する方式へ変更されました。この理由と狙いについて教えてください。

笹山 もともと、資本市場に対して予見性の高いメッセージを発信したいという考えが根底にありました。さまざまな株主との会話の中で、成長投資をしっかり行ってほしいという意見がある一方で、株主還元の予見性を重視される方が多くいます。そこで利益の成長に合わせた累進配当による着実な増配と総還元規模を明確化することにより、株主還元の予見性を高めることにしました。成長投資についても経済性を見極めながら実施し、企業価値を高めていきます。

井関 総還元性向の目標については、約2年半前に5割から4割へと引き下げ、話題となりました。今回の方針転換は、昨今の経済情勢の変化を踏まえたものなのでしょうか。

笹山 成長投資に注力するという基本的な考え方は、今後も変わりません。ただ、昨今のインフレ状況などの環境の変化を踏まえると、一株当たりの配当を順調に伸ばしていくことを示す方が、予見性がより高まると考えています。

具体的には、3カ年で総額2000億円以上の株主還元を予定しており、28年度までに一株当たり140円の配当を目指す方針を掲げています。数値目標を明示することで、投資家の皆さまに対して、より分かりやすいメッセージを届けられるよう意識しました。

【北海道電力 齋藤社長】新たな価値を創造し 北海道と共に力強く成長する

次世代半導体工場やデータセンターなどの新規立地により、北海道の中長期的な電力需要の見通しが増加に転じた。

この千載一遇のチャンスを確実に捉えるため、GXやDXに着実に対応し、新たな価値を創造。

地域と共にほくでんグループの成長を軌道に乗せる。

【インタビュー:齋藤 晋/北海道電力社長】

さいとう・すすむ 1983年北見工業大学工学部卒、北海道電力入社。2015年苫東厚真発電所長、19年常務執行役員火力部長、21年取締役常務執行役員火力部・カイゼン推進室・情報通信部担当などを経て23年6月から現職。


井関 10月31日に、泊発電所3号機再稼働後の電気料金値下げ見通しを公表しました。

齋藤 当社は、泊発電所の再稼働後には電気料金を値下げすることをお約束しており、一定の前提を設定し、3号機再稼働後の値下げ見通しを取りまとめました。再稼働に伴う費用の低減効果を反映した上で、今後の物価や金利の上昇による影響を緩和するために、カイゼン活動やDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進などの経営効率化のさらなる深掘りによる費用の削減効果を最大限織り込んだ結果、規制料金では、ご家庭向け電気料金で11%程度、自由料金全体では、平均7%程度の値下げとなる見通しです。  

この値下げ見通しについては、公表直後に鈴木直道北海道知事にも直接ご説明させていただきました。知事からは「値下げの内容や考え方について、道民の皆さまへ丁寧に説明していくことが重要」とのお話をいただきました。エネルギー資源に乏しい日本においては「S+3E」(安全、安定供給、経済、環境)の観点が重要です。こうした観点を踏まえた泊発電所の必要性について、道民の皆さまにご理解をいただけるよう、安全対策の取り組みに加え、今回お示しした電気料金の値下げ水準についても説明を尽くしていくとともに、早期再稼働に向け総力を挙げて取り組んでいきます。


運転開始時期を前倒し 安定供給に万全期す

井関 道内の人口減少の影響が懸念されますが、最新鋭の半導体工場やデータセンター(DC)の建設計画などによる需要増への期待が高まっています。

齋藤 札幌市も人口減少に転じ、北海道全体でも全国より速いスピードで過疎化が進んでいます。こうした状況下で、千歳市で建設が進むラピダスの半導体工場が今後量産体制に入りますし、工場の拡張も計画されていると聞いておりますので、地域経済の活性化や電力需要の増加につながると期待しています。また、寒冷地とあってさまざまな企業からDC建設計画のお話をいただいています。

井関 需要増に向け供給体制は万全ですか。

齋藤 電力供給については、まずは現在の電源設備をしっかり使っていくことで賄うことを考えています。これに加えて、石狩湾新港発電所2・3号機の運転開始時期を前倒しすることを決めました。長期的な需要増に向けて、泊発電所の重要性は一層高まってきます。安全性の確保を大前提に、脱炭素電源であり、燃料供給の安定性や長期的な価格安定性も有する泊発電所の早期再稼働を目指し、総力を挙げて対応を進めていきます。今後もお客さまに安定して電力を供給できるよう、当社の電源構成や発電設備の経年化状況を踏まえながら、電源開発、休廃止計画を検討していきます。

井関 3月に「ほくでんグループ経営ビジョン2035」を策定しました。

齋藤 20年に策定した前回の経営ビジョンは、電気事業の自由化や市場化が進むとともに、人口減少や省エネの進展などにより北海道の電力需要が減少していくことを前提としていましたが、ほくでんグループを取り巻く環境が一変したことから、今般、大きく見直しました。この数年の間で、気候変動対策への機運が一層高まるとともに、地政学リスクの発現などを背景に経済安全保障やエネルギー安定供給が重視されるようになりました。国はエネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指しGX(グリーントランスフォーメーション)を強力に推進しています。

【特集2まとめ】都市ガス「新エネ」への挑戦 見えてきた低炭素化の現実解

低炭素化の現実的な解を手繰り寄せようとする、都市ガス各社の動きが加速している。


究極のCNエネルギーであるe-メタンをはじめ、CO2回収といった難易度の高い技術開発も進めている。


注目すべきは、大手事業者の取り組みにとどまらない点だ。清掃工場と連携したバイオメタンによるガス供給など地方ガス自らが主体的に動き出す事例が生まれつつある。


企業の存続すら左右しかねない低・脱炭素化の潮流に各社はどのように挑んでいるのか。最新の動向を追う。

【アウトライン】重要性増す天然ガス転換 地産地消型供給の動きが加速

【インタビュー】熱の有効活用で性能を向上 エネ変換効率75%以上を達成

【インタビュー】独自の「共電解反応」を採用 一気通貫でe―メタンを製造

【インタビュー】CO2分離回収技術開発に注力 LNG未利用冷熱を有効活用

【インタビュー】静脈を動脈に流すことが重要 生活密着の循環型システム構築

【レポート】巨大な発酵槽が圧巻 バイオガス製造拠点に潜入

【トピックス】分離膜方式採用のシステム開発 高濃度のメタンガス精製を実現

【レポート】小型風力発電が運転開始 再エネ開発の目標達成に注力

【レポート】水素利用のすそ野拡大へ 小規模需要の「壁」に挑む

【レポート】水素製造から炭素貯留まで 国産ガス田活用の野心的実証

【トピックス】独自技術で水素を高精度に検知 メタネーションを安全面から支援

【トピックス】特許技術の整流器により省スペース化 水素含有率をリアルタイムで計測

【特集1まとめ】バイオエタノールの総力戦 運輸部門CNレースで勝ち残れるか

トウモロコシやサトウキビなどの植物を原料とする「バイオエタノール」が、
運輸部門のカーボンニュートラルの現実解として再び脚光を浴びている。
これまで主流だったEV(電気自動車)は、全世界で普及速度が鈍化。
エネルギー密度が高く運搬性や貯蔵性に優れる液体燃料の優位性が見直される中、
合成燃料「eフュエル」の商用化は2030年代前半まで待たなければならない。
そこで、既に製造技術が確立し製造コストもeフュエルに比べ安価な
バイオエタノールに白羽の矢が当たった形だ。
とはいえ、安定調達や燃料品質、供給インフラの整備、車両対応など、
社会実装に向けてはさまざまな課題が立ちふさがる。
政府、石油業界、そして自動車業界―。
バイオエタノールの導入実現に向け、官民一体の総力戦が幕を開けた。

【アウトライン】世界からの遅れ取り戻せ 官民を挙げた導入拡大策が始動

【レポート】「第2世代」で公道を走行 福島で動き出した燃料の未来

【レポート】輸出拡大で熱量上がる米国 日本はメリット享受できるか

【レポート】「食料か燃料か」から「食料も燃料も」へ 課題を克服する技術開発に注力を

【座談会】キーパーソンが語り合う バイオ燃料の将来像

【沖縄電力 本永社長】事業環境変化を好機に 新たな価値生む企業へ変革していく

右肩上がりの経済成長が期待される沖縄県。足元の電力需要も増加傾向にあり、事業を取り巻く環境は堅調に推移している。

調達力の抜本的強化や人財戦略を進め、新たな価値を生み続ける企業への変革を目指す。

【インタビュー:本永浩之/沖縄電力社長】

もとなが・ひろゆき 1988年慶応大学経済学部卒業、沖縄電力入社。2013年取締役総務部長を経て、15年副社長就任。お客さま本部長、企画本部長を担当。19年4月から現職。

井関 7月末に、2025年度の通期業績について、5年ぶりの減収増益との見通しを公表しました。

本永 売上高は期初予想から15億円上方修正しましたが、前年度に比べ販売電力量の減少や燃料価格の低下に伴う燃料費調整制度の影響を主な要因として、前期を下回る見込みです。前年度は、夏の暑さが影響し販売電力量が23年度比5・4%と大きく伸びました。今年は7、8月の気温が昨夏よりも低かったことから販売電力量は伸び悩みましたが、9月に入ってからは厳しい暑さが続き、一転、好調に推移しています。

今年は台風が沖縄にほとんど接近していないことも、販売電力量が好調に推移する一因となっています。入域観光客数についても、8月単体で史上最高の107万5千人が訪れたと発表されましたが、気象条件に左右されず、計画通りに旅行していただけることも大きな後押しになるでしょう。

利益面では、期初予想から売上高は伸びたものの、電力需要の増加や燃料価格の上昇により、燃料費や他社購入電力料の増加も見込まれます。こうした影響を踏まえ、今後、グループ会社を含めた業績の見極めも必要なことから、営業利益100億円、経常利益80億円の期初予想を据え置きました。そこから少しでも上乗せしたいというのが本音です。


高圧料金の規制解除 総合力で顧客獲得

井関 来年4月に高圧部門の料金規制が解除されます。どう受け止めていますか。

本永 高圧部門で規制料金が残っているのは沖縄エリアだけですが、競争状況は他エリアとそん色がなく、電源アクセスの公平性が確保されていることが認められました。22年度の燃料価格高騰の際には、規制料金に燃料費調整の上限が設定されていることで収支に大きな影響がありましたが、この仕組みは事業者の負担が大きく、規制料金が安く抑えられることで競争を歪める可能性もあるため、解除が望ましいと考えています。

県内には現在、20社強の新電力が進出しているとみられ、低圧・高圧の両部門において競争が一段と激しさを増しています。低圧部門においては、10月から有力な事業者が参入しており、これまで以上に厳しい競争環境になるものと見込んでいます。

井関 これをきっかけに、どのような戦略で攻勢をかけますか。

本永 高圧部門でも、既に自由化されている領域で積極的な営業を展開していますし、解除後に自由料金の対象となるお客さまに対しても注力していきます。当社の強みは、お客さまのニーズに合わせて、ガス供給や省エネ診断など総合的なソリューションを提案できる点にあります。さらに、CO2フリーメニューや再生可能エネルギー由来のPPA(電力購入契約)を提案するなど、環境価値の提供にも対応しています。今後も、多様化するニーズに合わせた最適な選択肢を提供していきます。

井関 沖縄は再エネの適地が限られているように思いますが、どのように再エネ電源を拡大していきますか。

本永 沖縄にはメガソーラーを設置できる広大な土地はありません。そのため当社の戦略は、事業所や学校、公共施設などの屋根を活用し太陽光パネルを敷設するというものです。家庭向けを含め、お客さまの屋根に太陽光パネルを設置し、蓄電池と組み合わせる事業「かりーるーふ」を展開しています。

学校への設置は、環境教育に役立つだけでなく、災害時の拠点として非常用電源を確保する効果もあります。実際に、小中学校で導入が進んでおり、今後も高校などで取り組みを強化していきます。

【西部ガスホールディングス 加藤社長】グループ各社が自律し、価値観を共有しながら健全な成長を目指す

前グループ中期経営計画「Next2024」では、売上高、経常利益、自己資本比率といった経営指標の目標を達成。今年度、新たなグループ中計「ACT2027」をスタートさせた。

本業のガスエネルギー事業にやや回帰しつつ、不動産や電力事業も強化し収益力の向上を目指す。

【インタビュー:加藤卓二/西部ガスホールディングス社長】

かとう・たくじ 1985年西部ガス(現西部ガスホールディングス)入社。2010年エネルギー企画部部長、16年理事、18年執行役員、20年常務執行役員、21年取締役常務執行役員などを経て24年4月から現職。

井関 前グループ中期経営計画「Next2024」では、売上高、経常利益、自己資本比率といった経営指標の目標を達成しました。

加藤 その瞬間は非常に達成感を覚えました。ですが、直後から新たなグループ中計「ACT2027」が始動し、フルパワーで取り組んでいますので、余韻に浸る時間はそれほど長くありませんでした。

井関 社長就任から1年超。どう振り返りますか。

加藤 6月の株主総会でも、株主のお一人から「社長就任からの1年を総括してもらいたい」との質問をいただきました。想定問答にはなかったので驚きましたが、前年の株主総会で別の株主の方から「事業の裾野が広がっているのは分かるが、本業であるガスエネルギー事業強化に本腰を入れるべきではないか」と叱咤激励いただいたことを思い出し、それを踏まえてこの1年間の総括を述べました。

前年度の株主総会では、都市ガス、LPガスのみならず電力事業の強化を図り、総合エネルギー事業への回帰を進めていくこと、そして、芽が出てきた不動産事業との両輪で、収益をけん引していくことを宣言しました。それらを実現するべく、ガス事業ではひびきLNG基地における3号タンクの増設に着手。巨額の投資を伴いますので、最終投資決定の前からJERAと協議を重ねていました。

エス トラストのオーヴィジョン井尻。不動産事業は着実に安定収入に貢献

電力事業では、再生可能エネルギーの開発に加えてひびき発電所(LNG火力、62万kW)が今年度中に運転開始を予定しています。これに合わせて、小売販売・卸販売を強化する体制を構築し、営業活動を活発化させています。不動産事業は、山口県下関市に本社を置くグループ会社のエス トラストが、北部九州を中心とした分譲マンション開発を展開し、非常に順調に推移しています。西部ガス都市開発が手掛ける賃貸事業も、順調にストックを積み上げ安定収入の確保につながっています。

また、社内コミュニケーションの充実を図るため、経営層と従業員層との距離を縮めて、風通しの良いグループ風土づくりのための施策も打ち出しているということも、この1年の振り返りとしてご説明しました。


不動産事業が好調 九州経済は手堅く成長

井関 第1四半期決算は増収増益で、最終利益は前年同期比86%増と過去最高を記録しました。

加藤 不動産や電力・その他エネルギー事業の好調に加え、ひびきLNG基地の減価償却費の減少が、増益の主な要因です。 非需要期の決算とはいえ、23年度以来2期ぶりに全てのセグメントが利益に貢献するなど、「ACT2027」の達成に向けバランスの取れた良いスタートを切れたと思います。

井関 九州経済の好調も、業績を押し上げることになりそうですね。

加藤 はい。この夏を見ても、記録的な猛暑によって家庭用のガス需要は減っていますが、業務用のガスヒートポンプエアコン(GHP)の需要が堅調に伸びています。工場の新規の立地計画や撤退など、プラスマイナスの影響はさまざまありますが、福岡市天神エリアにおける都市再開発誘導事業「天神ビッグバン」で街が一層活気づいてますし、TSMCの工場誘致に伴い関連産業も周辺に進出してきているので、九州経済の手堅い成長と共にエネルギー分野はまだまだ浮上すると見ています。

【特集2まとめ】脚光浴びるHPの蓄熱力 再エネ支える需給調整の新運用

今年、累積出荷台数が1000万台を突破したエコキュート。
家庭用ヒートポンプとして給湯市場を席巻して四半世紀が経過した。


深夜の割安な電気を使って貯湯し翌日のお風呂需要を担っていたが、
再エネの大量普及時代を迎え、そんな単調な運用は変わりつつある。


余剰再エネの有効利用やデマンドレスポンスを見据えた運用など
その蓄熱力を柔軟に活用した新たな役割が期待されている。


ガスとヒートポンプを組み合わせたハイブリッド給湯と共に、
変わりゆく家庭用給湯の展望を探った。

【アウトライン】家庭用給湯が四半世紀で一変 低・脱炭素化担うアイテムへ

【インタビュー】潜在的な需給調整力に期待 DR価値向上の仕組みが重要

【レポート】次なる普及策へ業界の挑戦 利用者のDR参加をどう促すか

【トピックス】太陽光連動型給湯機の普及拡大へ お得な料金プランで自家消費を促進

【インタビュー】DRreadyの本格普及へ 自立型の事業モデル確立を

【レポート】欧州のヒートポンプ事情を考察 英国視察から見えた普及策

【レポート】本格普及を見据え増産対応 ハイブリッド市場を主導

【レポート】業界最小クラスのコンパクトモデル 時短施工、軽商用車に搭載可能

【トピックス】オール電化マンションを強みに攻勢 CO2フリー化とエコキュート制御など提供

【九州電力 西山代表取締役社長執行役員】安定・低廉な電気で九州の魅力を高め 地域経済と共に発展する

さまざまな社会変化を背景に電力事業が転換点を迎える中、6月26日に九州電力社長に就任した。

再エネ、原子力による脱炭素化された低廉な電力で地域経済の発展に貢献するとともに、人材戦略を強化することで企業としての魅力を高める。

【インタビュー:西山 勝/九州電力代表取締役社長執行役員】

にしやま・まさる 1986年東京大学経済学部卒、九州電力入社。22年常務執行役員コーポレート戦略部門長、23年取締役常務執行役員エネルギーサービス事業統括本部長などを経て25年6月から現職。

井関 6月に社長に就任されました。これまでをどう振り返りますか。

西山 2000~03年に当時の鎌田迪貞社長の秘書を務め、社長としての振る舞いを見て大変な仕事だなという印象を持っていました。私自身が実際に就任してみて、やはり責任の重さを実感しています。スケジュール上の忙しさもありますが、さまざまな経営判断を最終的には自ら下さなければならない、そこに社員の生活がかかっているということの責任の大きさ、重さを日々感じながら、仕事に向き合っています。

井関 九州電力に入社して以降、最も印象に残っていることは何でしょうか。

西山 最初の赴任地である熊本でのことですが、当時は社員が各家庭を回って未収金を回収していたんですね。私も1カ月に400~500軒を回っていて、その中には、経済的な理由でどうしても払えないご家庭もありました。電気が止まれば生活が成り立ちません。そうした皆さんが、できるだけ安心して電気を使っていただけるようにしていかなければならないと強く感じたことが、私の原体験です。

もちろん、事業はサステナブブルでなければならず、収益を上げて社員や株主、地域の皆さまに還元していかなければなりません。九州エリアは、半導体工場の集積やデータセンターの建設などにより、今後、電力需要の増加が見込まれています。こうした動きは、当社が原子力の安全・安定運転、再生可能エネルギーの積極的な開発・導入などにより、業界トップレベルの非化石電源比率を誇っていることに加え、全国的に見て低廉な料金水準であることなどから、企業にとって九州での立地が魅力的であるためと考えています。  

これからも、電力の安定供給を堅持するとともに、環境価値の高い電気といった九州の強みを生かして企業の立地を促し、地域経済が潤いながら当社も利益を上げる―そのような循環を創り上げていきたいと考えています。

5月に公表した「九電グループ経営ビジョン2035」

【特集2まとめ】LPガス業界の転機と商機 事業激変時代を生き抜く戦略

経済産業省は昨年7月、液化石油ガス法の改正省令を全面施行した。
三部料金制の徹定や工務店などへの利益供与の禁止など

LPガス業界で長年続いてきた悪しき商慣行にメスを入れたのだ。
この省令改正は、事業者に大きなインパクトをもたらした。
業界を挙げて対策に取り組んでおり、まさに一大転機を迎えている。

一方で、このタイミングを見計らって事業拡大を狙う事業者もある。
LPガス激変時代をどう生き抜いていくのか。その戦略に迫った。

【アウトライン】消費者に選ばれるエネルギーへ 省令改正への対応を推進

【インタビュー】料金の透明化へ行動指針策定 不動産業界にも対応要請

【座談会】独自の販売戦略で難局を乗り切る 地域密着で顧客満足を追求

【レポート】燃料油からの燃料転換に注力 販売特約店との連携深める

【レポート】特約店の支援体制を強化 幅広いサービスで差別化狙う

【レポート】災害に強いハイブリッド発電機 日本のレジリエンス向上目指す

【レポート】災害時も空調の稼働を継続 熱中症対策と避難所機能を両立

【インタビュー】ブローカー対策に手応え 消費者への注意喚起に注力

【トピックス】Jークレジット制度を活用 パビリオンのCO2排出量を実質ゼロに

【トピックス】双方向通信端末の導入進む 社内外でDX化の推進に寄与

【トピックス】ボンベの運搬をスムーズに 現場ニーズに応えた電動台車を発売