ホルムズ海峡封鎖に基づくエネルギー価格高騰への対応を目的とした2026年度補正予算案が6月3日に閣議決定、国会で審議入りした。5日に成立する見通しだ。予算案の一般会計総額は3兆1135億円。具体的には、①ガソリン補助金の継続を想定し、中東問題に特化した「中東情勢等対応予備費」を創設するため、2兆5000億円を計上、②7~9月の電気・都市ガス料金について標準的な家庭で5000円程度支援するため、今年度当初予算の予備費から5135億円を支出することに伴い、予備費の使用分を穴埋め、③LPガスや特別高圧電力の料金低減を目的に、自治体の判断で使える「重点支援地方交付金」として1000億円を計上――の3本柱だ。

ロイター通信によると、補正後の歳出は125兆4228億円に膨らみ、追加歳出に伴う赤字国債の増発で公債依存度は26.1%に悪化。政府は当初予算の編成時に基礎的財政収支(プライマリーバランス)が一般会計ベースで黒字になるとアピールしてきたが、今回の補正編成で再び赤字に転じることが避けられない情勢という。為替では円安が進み、3日午前時点で1ドル160円に迫る水準。11兆円規模の為替介入は帳消しになった形だ。そうした中で、今回の大型補正予算編成を巡っては、業界内外から費用対効果を疑問視する声が高まっている。
5000億円規模で電気ガス代支援も「子供の小遣いにもならない」
「7~9月の3カ月間の合計で、標準世帯にして5000円程度の電気・ガス代支援など、子供の小遣いにもならない金額だ。そのために、5000億円以上もの税金を投入する必要性がどこにあるのか。だいたい季節に関係なく、円安と原油高の局面が続く限り、エネルギー代が高止まりするのは避けられないだろう。高市(早苗)政権の人気取り政策にしか思えない」。大手メーカーに勤める横浜市在住の40代会社員は、こんな批判を投げ掛ける。
経済産業省によると、電気代の支援は一般家庭向けなど低圧の場合、7月と9月の使用分が1㎾時当たり3.5円、8月が4.5円。標準的な世帯だと、7月1490円、8月2084円、9月1536円の支援額になるという。ガス代については7月と9月の使用分が1㎥当たり14円、8月が18円だ、暮らし方やエネルギー機器の状況に応じて使用量は変動するため、戸建て住宅で在宅率の高い家庭ほど支援額は高くなる見込み。一方、ワンルームに単身で暮らし、日中不在が多く、夏はシャワーで済ませるような世帯は、恩恵を実感できそうもない。
「そもそもガスについては夏場にあまり使わず、支払う都市ガス料金もかなり安いので、補助金のありがたみを全然感じない。また、マイカーも持っていないから、ガソリン補助金も基本的に関係ない。それよりも、エアコンと給湯機がそろそろ買い替え時期なので、次は省エネタイプにしたいと考えているけど、何しろ高額。これを国が補助してくれると大いに助かる。東京都では『ゼロエミポイント』制度で買い替えを支援しているが、残念ながら埼玉県にはない。住んでいる地域によって、支援に格差があるのも納得がいかないので、ぜひ国レベルでの補助制度をお願いしたい。5000億円もの財源があれば、相当な購入支援ができるのではないか」(さいたま市在住の30代会社員)













