【新コスモス電機】
コロナ禍を経てブームとなったキャンプでの一酸化炭素中毒による死亡事故が発生している。
新コスモス電機は家庭内にとどまらず、アウトドアでの安全にも貢献していく。
たき火は冬のキャンプの醍醐味だ。暖をとりながら、料理を楽しむこともできる。テント内を暖めるためにストーブを使用する人もいるだろう。こうした楽しい冬のアウトドアに潜む危険がある。それは一酸化炭素(CO)だ。
COは無色無臭で毒性が強い、危険なガスだ。吸い込むと頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れ、最悪の場合は死に至る。近年、キャンプや車中泊中にCO中毒事故が発生し、死亡するケースもある。たき火やストーブなどの不完全燃焼で発生したCOが原因だ。
こうした状況を深刻に捉え、新コスモス電機はアウトドア用一酸化炭素アラーム「COALAN(コアラン)」を発売した。一酸化炭素の「CO」と警報の「ALARM」を掛け合わせて命名。同社初のアウトドア用製品だ。
日本語音声での警報 使用者自身による点検も
開発の背景には、コロナ禍を経たキャンプ人口の増加がある。同社ではこれまでの家庭用ガス警報器の知見を生かしたアウトドア用COアラームの開発を検討していた。そうした中、顧客やキャンプで有名なユーチューバーなどからも要望が寄せられたという。
3年ほどの開発・試験の後、コアランは昨年12月12日に発売された。1万3000台の限定販売だ。販売は住設機器などを扱う専門商社の山善が手掛ける。山善を通じて、家電量販店やアウトドア用品店、ホームセンターなどに流通するほか、楽天市場や山善の直販サイト「山善ビズコム」などネットでの購入もできる。
楽天市場では発売前の段階でランキング入りし、発売日以降は山善がコアランを卸したストアが1位から3位までを独占。山善ビズコムにおいても、週間ランキングで1位を獲得するほどの人気ぶりだ。日本製のセンサーを搭載していることや、同社の家庭用ガス警報器メーカーとしての確かな実績が購入者からの反響につながっている。コアランには4つの特徴がある。①保護等級IP54 相当の防塵・防滴構造、②厳しい試験をクリアした耐衝撃・耐振動性、③日本語音声による警報、④使用者自身による機器点検――だ。
特に注目すべきは③と④だ。海外製のCO警報器はアラーム音のみで、何がどう危険なのか分かりにくいこともあるという。その点、コアランは日本語の警報を発し確実に危険を伝える。
またコアランには専用の点検用スポイトが付属している。カセットコンロなどからCOを採取し検知部に吹きかけることで、正しく反応するかを確認できる。これが④だ。この点検用スポイトには使用者を守る工夫が施されている。
COはわずかな量でも人体に影響を及ぼすため、とても危険だ。ゆえに万が一の事態にも備え、スポイトのパイプ部分にあえて穴をあけることで、濃度が高くならないよう設計されている。点検方法を分かりやすく説明する動画もあり、自分の命を守る機器を使用者自身が点検できる。
「ガス事故をなくしたい」という思いのもと、ガス警報器の開発・販売を手掛けてきた新コスモス電機。家庭内にとどまらないアウトドア向け製品で、ガス事故の犠牲者減少に貢献していく。